■新駅完成後も街の中核「アミュプラザ長崎」

長崎駅周辺地区・区画整理事業
第一期分の集客起爆剤



 ここ数年、全国各地で大規模なターミナル駅ビルのリニューアルが行われている。
 完成した代表的な例としては、京都駅(1997年9月オープン)、名古屋駅(2000年5月オープン)、上野駅(2002年2月オープン)等がある。さらに進行中のプロジェクトには、札幌駅、品川駅、八戸駅そして東京駅等を挙げることができる。近年の動向としては、ターミナル駅としての新設・リニューアルのみに終わらず、隣接ビルに物販、飲食、サービス、宿泊、オフィス、住居等の機能を持たせての複合開発が主流となっている。京都駅、名古屋駅がこれに該当する。さらに、駅前や駅周辺さらには街全体の再開発計画に沿って、街の顔、憩いの場、賑わいの中心づくりとしての使命を持ったエリア開発の場合もある。東海道新幹線新駅建設や、隣接地の高層ビル開発など、街全体を再開発している中の品川駅、丸の内側は創建当時のレンガ造りの3階建て駅舎を復元し、皇居の景観に配慮した駅前広場を整備。また八重洲側にはオフィス街を意識した超高層ツインタワーを建てるなど、首都東京の中心駅の顔として生まれ変わる計画の東京駅がこれに相当する。

 しかし、「駅」への集中が希薄な地方の場合、駅ビルまた隣接ビルで活況を呈していたはずの百貨店やスーパーが次々と破綻、営業縮小により閉店し、それでなくても廃れつつあった駅前商店街も影響で絶体絶命に追い込まれている例も少なくない。香川県高松市では、鉄道会社自体(高松琴平電鉄)が会社再生に追い込まれている。

 こうした状況下、2000年9月に生まれ変わった「長崎駅」。従来、大きな三角屋根とその壁面に装飾されたステンドグラスが、観光地長崎の玄関口のランドマークとして、市民・観光客に記憶されてきた。今回のリニューアルでは、そうしたランドマーク性を撤廃、ショッピング、レストラン、カルチャー、エンターテイメント、ホテルで構成された駅機能を持つ大型ショッピングセンター・「アミュプラザ長崎」としてリニューアルオープンとなった。
 現在の経済環境で、歴史的なの印象とランドマーク性を捨ててまで、このような高度成長的リニューアルが成立するだろうか?

 「レジャーパークの最新動向」では:現在の駅ビル開発の現況を整理するとともに、そこに具現しつつある開発方向性を踏まえ、地方都市における中核ターミナル開発の先行モデルとしての「アミュプラザ長崎」を分析している。


※誌面の一部を紹介します



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