株式会社オートバックスセブン 既存店舗のイノベーションを本格化
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従来からの「クルマ好き」に加えて、女性や一般層への訴求を強化



今回、同社の配慮で店舗撮影の機会をいただき、奈良県大和郡山市にある同店を訪れて、店舗革新の新たな取り組みポイントを中心に実情をカメラに収めることができた。なお写真以外のコメントは基本的に取材者の知識・印象で構成していることをお断りしておく。


1.立地環境

奈良盆地とは言えば歴史のふるさとであり、多くの文化遺跡が集中する。未発掘の遺跡も少なくないようで、各自治体は細かい(厳しい)土地利用や建築規制によって、その保護を進めている。この規制が最も緩いのが同店の立地する大和郡山市の国道25号と奈良県道108号、249号沿道の模様らしく、ロードサイド集客業態の集中を見ることができた。

大和郡山店は、リロケーション・リニューアルによる開業だが、休耕田を造成して新たに建設したという。土地所有権の関係だろうか、東側(県道108号沿い)にある通信キャリアの店舗と見た目は一体だが、用地境で駐車場を分けており、キャリア店舗の敷地を経由してオートバックスに出入りする動線となっていた。

2.構造

店舗の1階はピットとサロン(待合コーナー)で構成。エントランス前に設けたガラス張りのピットは好評のようで、そこの前に立ち止まって作業を見守るお客さまが続出する状況であった。ピットには1カ所の自動ドアで自由に出入り可能となっている。

作業後の現車確認は、店内アナウンスでお客さまを呼び出し、ピット内で実施していた。作業の完了したクルマのオーナーは自ら運転してピットから出ていくオペレーションである。

2階は用品、アクセサリー、オイル、バッテリーおよび精算カウンター、スタッフルームで構成する。キッズコーナーも用意されていたが、1階の待合室の方が魅力に感じるようであった。




1階 ガラス越しにピットが見られる



2階フロア


1階 手前がサロン、奥がピット

3.応対

屋外エントランス横と1階ピット前にタイヤを集中展示する。これは店舗の見た目を「タイヤの山」、「タイヤ専門店」、「黒々している」イメージから脱却させる工夫である。そこで、見た目の印象の強いエントランス横の屋外展示量は抑えて、エントランス中(建物内)に移動している。一方で、エントランス前と入ってすぐ右、ピットの前の2カ所に専用のタイヤ相談台を設置してスタッフが常駐。サイズ、適合、在庫で興味関心がないとわかりくいタイヤ選びをフォローする。また、タイヤの展示に立ち止まるお客さまには積極的にお声がけをして、販売側のペースで商談をオープニングさせていた。

2階の用品・アクセサリー売場でも当該業態と売場の規模からして、過剰と感じられる数のスタッフが常駐・巡回している。「いらっしゃいませ」と挨拶を重ねている姿には好感を持てた。お客さまを手厚くフォローする意志は十分感じることができた。




屋外エントランス脇のタイヤ展示

2階精算カウンター。多くのスタッフがきめ細やかに対応


1階タイヤコーナー


4.ディスプレイ等

案内サインはいわゆる商品カテゴリーではなく、シンプルなサインデザインにより用途・目的を表したもので、従来の展示に慣れた筆者にとってはたいへん新鮮な印象を持った。これで売場がもっと広ければ、展示量に起因よる煩雑感(ごちゃごちゃ感)が一掃されたことであろう。2階の売場ではLED照明は天井(1列ずつ、蛍光灯と交互に配置)および香水の展示棚のバックライト使用が確認できた。


シンプルなデザインアイコン


天井から下がっていた案内板もデザインされている


香水の展示棚のバックライトはLEDを使用


天井に設置されたLED照明



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