田苑酒造 焼酎博物館(3)

●運営

1.見学
 入場料は無料。来場者の多くは工場見学と併せて見学しているが、資料館限定商品の販売があるため、購入目的で資料館だけの利用者も増えてきている。
 見学コースは、ビデオ説明約7分、工場見学約10分、資料館見学約5分、試飲・資料館限定商品販売等約10分で、全行程約40分である。

2.アンケート
 来場者にはアンケートの記入をお願いしている。これにより、今後の運営の参考にしているが、なかなか難しいことが多いという。中でも、バリアフリーの問題は、工場は建築時に製造効率を第一に考え、一般見学は想定していいなかったこと、資料館は昔の建物をそのまま移築したことなどから対応していない。しかし、スタッフができる限り付き添い(介助士)の補助することで対応しているが、完全ではないという。

3.ネットの活用
 ホームページを見てきたという来場客はそれほど多くない。逆に見学した後に、ホームページを通じてお礼や感想をメールで送ってくるお客の方が多い。
 ホームページは、社内のコンピュータに詳しい社員が作成している。昨年(2003年)からはメールマガジンを発行し、現在5,000名を超えているという。当初月1回の発行を目指していたが、焼酎に関するネタがそれほど無いため、現在は2カ月に1回の頻度となっている。目的として、メーカーはエンドユーザーと接触することが少ないため、どんな年齢、性別、職業、所在の人が愛飲していて、どのような要望があるのかなどを把握するためのコミュニケーションのひとつとして活用している。また、ネット上の限定販売の商品案内、新商品の案内などにより、その反応から営業・マーケティングのツールとしても活用している。


●集客

 1992年から年2回、この資料館で地域文化の向上・活性化また企業イメージの高揚を目的に、春と秋の年二回「田苑酒蔵サロンコンサート」を開催している。同社独自の熟成法「クラッシック熟成」にちなみ、ジャンルはクラッシック音楽。地元ではクラッシック音楽を生演奏で聞く機会が少ないということから毎回満員(約330名)で、2004年の10月の開催で25回を迎え、好評を博している。当初は地元の演奏者限定で、場を提供する形でスタートしたが、最近では著名な演奏者が出演したいという希望もあり、1回は著名演奏者、もう1回は地元の演奏者というプログラムとなっている。現在約20組の演奏者が常に出演待ち状態で、前回の楽器と重ならないなど配慮をしながら、順番に出演してもらっている状況である。

 例えば、第25回(2004年10月17日開催)のプログラムは、「ドイツの香り漂う4人のハーモニー」と題し、ドイツのラインラントプファルツ州立管弦楽団に所属する鹿児島出身の有川瀬里子氏のヴァイオリンを中心としたカルテットで、ブラームス「Nr.1 g-moll op.25」とモーツァルト「Duo in G KV423」を演奏している。

 これだけ好評だと年4回など回数を増やして・・・という声もあるが、実は資料館内にはエアコン設備が無く(簡単な冷房が試飲コーナーに設置されているだけ)、夏・冬は厳しいため、年2回(春・秋)となっている。開催は昼間であるため、観客の7割が女性だという。コンサート当日は焼酎、時期によっては敷地内の畑で採れた原料の蒸かしたサツマイモ、サツマイモのクッキーなどをふるまっている。

 コンサートに来場したお客全員には、毎回氏名・住所の記帳をお願いし、次回の案内DMを送付している。
 開催案内は、過去1回でも参加したお客にはDMを送付し、その他は同社のホームページや市内のプレイガイドで告知しながら、同時にチケット販売を行っている。料金は1,000円で、毎回開催1週間前には完売している。
 演奏者は、有名音楽大学の学生、「○○コンクール優勝などの経歴を持っているが、鹿児島には気軽に、安価で演奏を発表する場所がない」というプロなどの人気となっている。もちろん、演奏者から会場料を取っていないし、どんな有名な奏者に対しても謝礼(出演料)は支払っていないからこそ、1,000円という料金でコンサートが実現している。





サロンコンサートの行われる1階ステージ


コンサートの無いときは試飲コーナーに。お湯割り、ロック、もちろん水割りも飲める。


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