自動車販売店舗の再編・活性を刺激する
ホームセンターの新たなチャレンジ
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アヤハディオの「ディオワールド草津店」が
買取保証システム「Fシステム」に加盟、新車販売に参入

安部基史(本誌編集長)


【Fシステムについて】
新車→点検整備→下取を仕組み化、CR需要を確実に取り込む


 ディオワールド草津店が加盟したFシステムは、エフシステム(株)(本社:京都市南区)が2000年に開発、第1号店を出店した買取保証型販売システムである。

 顧客は、3年後の買取保証額とクレジットの残額が一致するように、72回払いのクレジットを組んで新車を購入する。3年後に新車に乗り替えると、クレジットの残債は解消される。特徴は買取額の保証にあって、当該車種の人気が下落しても、買取保証額は約束される。ここが一般の残価設定ローンとの大きな違いであり、それに加えて買取査定時に傷、事故、過走行についても優遇されるので、乗り替えがしやすい仕組みとなっている。その額は3年後の相場価格を参考に、独自のノウハウによって車種やグレード、装備、ボディカラーによって細かく設定されている。ちなみに最大で車両本価格の55%で、国産車全メーカー・全車種が対象となっている。




藤井進・エフシステム(株)代表取締役会長

 同社の店舗では、ショールームスペースが狭くても、複数メーカーの売れ筋を並べられるため、お客様はワンストップで比較検討できる。メーカーに拘らない、いわば“無党派層”に主対象に、同社の買取保証を一義として訴求する。

 さらに、3年間の定期点検とオイル交換をパックにした「Fメンテナンス」に加入すると、買取保証額がアップする仕組みもあり、顧客の90%が加入するという。点検の案内や店舗の対応評価について、同社本部はコールセンター「Fシステムコールセンター」を立ち上げて確実に発信させている。こうしたサポートもあって、加盟店はメーカー系新車ディーラー同様のコミュニケーションが可能になっている。

 この他、3年間6,000円の負担で、事故で走行不能になった場合、日本全国どこからでも購入した店舗まで距離を問わず無料でレッカーサービスを受けられる「Fロードサービス」も用意されている。これはクルマを対象としており、運転者を問わないというから驚きである。

 Fシステムにより、3年後に、定期点検を受けて使用履歴もはっきりした良質の中古車の仕入れが可能になることも見逃せない。長期保有時代に適合した「新車販売から発生するCR需要(保険、点検整備、車検)を確実に取り込んでいくための仕組み」(藤井進・エフシステム代表取締役会長)と位置づける。

 加盟店は近畿地方を中心に全国約120店のネットワークを形成している。同社ではホームセンターやショッピングセンターへの出店を強化していく予定である。


■ホームセンター進出のきっかけは、家電量販店

 Fシステムの認知を高める広告活動として、従来のチラシや新聞広告ではコストの割に見合うだけの効果が得られない。集客力のある場所に出店すれば、接触も認知も高まり、店舗も集客もできるのではないだろうか・・・このように、既に4〜5年前にはホームセンターやショッピングセンター業態に着目していたと藤井会長は言う。

 「ヒントは家電量販店です。昭和の高度成長期に、電化製品は壊れても修理しながら使っていくのが常識で、購入とメンテナンスに対応する「街の電気屋さん」業態が成立していました。しかし現代の白物家電はまず壊れませんね。メンテナンスのための密接な関係が不要となって、家電の販売は電器店から量販店に移行したのです。そして、同じ状況は自動車でも起きました。メカの信頼性が上がり、通常の使用ではほとんど壊れることはありません」。

 さらに、消費者に必須の足となった自動車は、乗り続けていくと必ず乗り替えが生まれる。ならば、自動車も家電量販的な販売方法が可能ではないか。Fシステムのような、売りやすさ・買いやすさの仕組みを提供すれば、必ずお客様は反応してくれると藤井会長は確信したのである。そのような折りに他所からアヤハディオの紹介があり、出店が現実となったのである。(了)


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