■ファームパーク運営の最大手
 ・株式会社ファーム 久門 渡・代表取締役に聞く

 日本各地に現在、18のファームパークを運営し、平成17年(2005)には24にその数を増やそうとしている(株)ファーム。農業公園をファームパークとして、来場者満足の視点から好調な集客業態に成長させたのは、同社が果たした役割はあまりに大きい。不況期のいま、同社による好調な運営に刺激され、ファームパークへの参入が構想を含め多数に上っている。しかし、機能を複写しただけの再開発整備事業の感覚では、なかなか成功しないのが現実なのである。

 「レジャーパークの最新動向」では:同社のトップで、農業振興にこだわったファームパークづくりを成熟させた久門渡(くもん・わたる)代表取締役に、そのビジネス哲学を聞いている。

■高原牧場 市倉ファーム


(株)ファームが創業の地・伊予西条に建設した初めての農村型観光牧場
自然に囲まれた日本庭園は、地域の憩いの場所として人気


 久門代表の出身地で、現在も本社を置く愛媛県西条市に誕生した「市倉ファーム」は、1986(昭和6年)年8月に開業した、株式会社ファームが初めて手がけた農村型観光牧場である。
 ファームパークを全国に展開する上で、用地買収については現在のところ自治体に任せるようになっているが、10施設目までは用地の選定から買収まですべて久門代表が手がけていた。「市倉ファーム」の場合、150人もの地権者1人1人に、自分の農業振興にかける夢とファームパークの事業性を説明した上で売却してらったという。
 現在の施設構成は、「羊広場」、「乗馬場」、「まきば館」、「日本庭園」、「洋風庭園」、「ボタン園・バラ園」、「変形自転車乗り場」、「パターゴルフ」、「スーパースライダー」、「パン工房」等とシンプルなものである。


■石鎚芸術村 チロルの森

芸術家の育成・郷土文化の保存を謳った、
集客特化の観光事業とは一線を画した文化創造拠点を整備


 石鎚山系を源とする清流加茂川の上流、渓谷の大自然をそのままゾーニングに生かして、自然散策と食文化が楽しめる。ヨーロッパのチロル地方の農業文化をイメージにしたことからこのネーミングとなった。
木漏れ日のなか、小鳥のさえずりが聞こえてくる散策の森、天候によって水量が変化する渓流のせせらぎやにぎわいが聞こえてくる庭園など、石鎚山系の自然の魅力が存分に感じられる。
施設構成は、「ミューレ」(加工工房)。「クローネンブロイ」(地ビールレストラン)。「ローゼンバッハ」(アトリエゾーン)、「チロル・ケラー」(売店)などがある。
 ここはファームパークというよりは、若い芸術家の育成や郷土文化の保存、生活文化の向上を目指した芸術村として整備を進めている。


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