空間通信レポート


〜myX(マイクス)は、いま〜 (2)

コンセプトは「モビリティライフのデザイニングスペース」
お客さまの“クルマを買うに至る物語”を実証


◆「敷居の高さ」で売れないのは誤解

当時、メーカーでも、販売店の研究を続けていた。お客さまは目的があるからお店に来る。それは時間つぶしであろうと、トイレを借りるだけであろうと目的がある。ただし目的の発生頻度は限られており、来店のスパンは非常に長いものの定期的に来店する事実がある。クルマの場合、車検のような長期で定期的なイベントの他、自動車保険の更新のように比較的短期でも確実に起こることがある。それでも、生鮮三品とは異なって、一年や数ヶ月という長いスパンになってしまう。
このため、“クルマの販売店の敷居は高い”との批判が起こる。来店目的の発生頻度が低い→来店客の絶対数が少ない→来店があるとスタッフ全員で待ち構えていて襲いかかる“的な状況が起きてしまう。お客さまはお店に行くことに躊躇して、さらに来店が減ってしまうという悪循環を繰り返すことになる。

上野会長は、流通大手が経営する販売会社から、スーパーマーケットの場合に地域中核店のような大型店でも、確定できる顧客が3,000件であり、ほぼ新車の販売店(営業所)のひとつくらいの規模しかないことを知る。来店頻度は圧倒的に高いが、顧客数に変わりはない。すなわち、来店発生頻度が違う消費財を組み合わせて、お客さまの人生タイムテーブルの中に位置づければ、来店動機は多数発生するのではないか。さらに動機が生まれそうなときには、きちっと誘店する行為を、情報提供等の手段を駆使して活発化すれば、少なくとも店頭は繁盛するのではないか、と考えた。同社の場合、来店したお客さまの85%は、半年以内にクルマを買っている。1年以内となると90%以上が購入に踏み切っている事実がある。“敷居が高いから”が、売れない理由にはならないのである。


お話を伺った、上野健彦会長


myX内・レストラン「Clics(クリックス)」



◆来店頻度を高める「代替性を考えた商品戦略」

革新プロジェクトの結果、お客さまの代替パターンを分析しそれを編集した形を新製品で応える、「代替性を考えた商品戦略」が創出された。クルマは車検と法定点検、保険に限れば、発生しても年に2回程度の来店動機の発生に過ぎない。そこに自動車用品や、季節性のあるサービス商品を揃えていく、あるいは多少のこすり傷なら安価で修理する等の商品や品揃えによって、来店頻度が高めていく。『マイカーが古くなったから替える』というのではなく、それに代わるような動機付けを提供するのである。

上野会長は「経営基盤を強化していくためには新車以外のモノの販売にも力を入れる必要がある。お客さまのニーズは新車以外にも中古車やサービスもある。新車・中古車・サービスが同じ次元に立つ時代になっており、その中からお客さまに最適な商品をお勧めする。それが本来の小売業」と痛感。そこから生まれたのが、自動車はワンアイテム、アウトドア関連11万点を揃えた新業態「myX」であった。




myX内・新車ショールーム(上)
相談コーナー(下)



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