赤れんが博物館 レポート(3)

 赤れんが博物館のコンテンツは極めて実直であり、学究的にも本格的である。遊びやエンターテイメントのテイストはほとんど感じられない。レンガという、建設関係者=ビジネスに直接関係する以外の人には興味を持ちにくい素材を、自然科学、都市工学、考古学の分野で国際的な視点から収集・展示を行っている。もちろん、地元・舞鶴の赤レンガ資源に関する情報もカバーされている。一言で言うなら、レンガを知って語れるようになりたいのならここで1日を過ごせばよい。そんな専門性と地元性に富んだ展示構成となっている。

 実は、前述のように赤レンガの建造物に対する負のイメージから、赤レンガを地元を代表する資源としての専門博物館の建設には当初反対の声を少なくなかったという。転用する建物自体、旧海軍の武器庫なのである。また、赤レンガそのものをテーマにすることの無理解もあったようだ。赤レンガで博物館になりえるのか。それを目当てに人がやってくるのか・・・。
 こうした不安の声を解消すべく、地域を代表する資源をグローバルに見つめながら、展示をレプリカやCGに頼らず、すべて本物を用意するなど、本格的な博物館としての王道を選択したのである。事業費は7億円だが、内容や企画展の活動からすると妥当と思われる。

 赤れんが博物館は、実は現在、休館中である。
明治36年(1903)の建設というから既に100年を超えており、2004年度末まで半年をかけて現在の耐震基準に合わせての補強や、鉄骨柱脚部のさび除去、再塗装等のリニューアルが行われている。休館中、展示物から約100点が隣接する舞鶴市政記念館で公開されている。よって2005年4月1日の再オープンでは展示構成の変更が行われる可能性もある。現状の基本的な展示構成は舞鶴市文化事業団にあるオフィシャルサイトで概要が紹介されている。
同館を主管する舞鶴市教育委員会社会教育部赤れんが博物館のコンテンツの方が詳しい。

(追記:すでに赤れんが博物館は2005年4月1日からオープンしている)


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