日産自動車 本社ギャラリー・銀座ギャラリー

【目次】

  施設概要
  企業姿勢
  社内体制
  コンセプト
  施設・サービス概要
  訪問レポート
   本社ギャラリー
   銀座ギャラリー
  まとめ


【施設概要】
○本社ギャラリー
 所在地:東京都中央区銀座6−17−1
 電話:03−5565−2389
 営業時間:月〜金及び祝日 8:30〜20:00
      土 10:00〜20:00
      日 10:00〜17:30

○銀座ギャラリー
 所在地:東京都中央区銀座5−8−1
 電話:03−3572−4778
 営業時間:10:00〜20:00

ホームページ
 http://www.nissan.co.jp/
取材日 2001年8月2日(木)




 日産自動車は2001年6月18日、東京・東銀座の本社ギャラリーと銀座ギャラリーを一斉にリニューアルオープンさせた。どちらも白とシルバーを基調とするデザインで共通させている。
 コンセプトは「Imagination Crossing」。
 人とクルマが交差する空間において、日産の企業姿勢を広く伝える情報受発信拠点としての位置づけである。
 リニューアル後、来場者は、オープン1ヶ月で累計14万人を超え、リニューアル前と比べ約1.5倍の伸びとなっている。

お話をお伺いした日産自動車マーケティング本部宣伝グループ 関口明彦さん


○ブランド・アイデンティティの表現手段の一つとして―――企業姿勢

 同社のCOO、カルロス・ゴーン氏は「日産リバイバルプラン」発表の席で『コスト削減が顕著で中心的な部分であるが、それだけでは成功につながらない。新商品の開発に重点的な投資を行い、日産のブランド力を取り戻し、全世界でのシェア向上、収益力向上を図ることが不可欠である』と明言している。
 今回のリニューアルは、このプランの一環として、同社が長年培ってきた企業カラー、すなわち「ブランド力」を広く知ってもらうためとの明確な位置づけで行われたものである。その第一歩として、まずは旬のニューモデルを展示するだけのショールーム空間であったギャラリーを、来場者がその場にいるだけで「日産らしさ」を体感し理解できる、日産ブランドの『聖地』となるような場所として位置づけるという発想からプロジェクトは始まった。
 ギャラリーは全国に5カ所あり、今回リニューアルされた東京の本社ギャラリーと銀座ギャラリーの2カ所についての結果の評価・分析を行い、2002〜2003年にかけて札幌・名古屋・福岡の各ギャラリーのリニューアルについて計画を立てていくことにしている。
 なお、ディーラーに対してはここでは具体化した統一イメージを店舗づくり等に反映させていく計画はないという。このイメージを全国のディーラーに反映させていくことは、事実上店舗数から見ても困難であり、また商品戦略を含む店舗戦略との整合性も関わってくる問題と位置づける。

白を基調とした内装デザイン(本社ギャラリー


○「クロスファンクション・チーム」―――リニューアル実現への社内体制
 『リバイバルプラン』の実行に向けて、日産社内ではいくつかのテーマが設定され、それぞれチームに分かれて取り組んでいる。各チームは「クロスファンクション・チーム」と呼ばれる、さまざまな部署からのスタッフが参加する体制で結成されている。このギャラリーリニューアルについても、「BI(ブランド・アイデンティティ)」の作成をテーマとした、各部署の精鋭が集まったチームが手がけている。
 これまでギャラリーの運営・管理は宣伝部の管轄であったが、リニューアルにあたってはクルマのデザインを手がけるデザイン本部、広報、不動産関連部、宣伝部、技術開発部、その他にデジタルギャラリーを設置していることからネット関連の部署も参加した。なかでもデザイン部門の活動が大きな位置を占めたという。

○コンセプトは「Imagination Crossing」
 ギャラリーのコンセプトとして掲げている「Imagination Crossing」には、「日産の思いとお客様の思いがぶつかり合い、理解し合えるような場にしていく」という気持ちが込められている。「Crossing」とは、同社とお客様がさまざまな形で触れ合えるという意味と、また、もうひとつ付け加えると、銀座ギャラリーは銀座4丁目の交差点、すなわち「Crossing」にあるという事実を表現しているという。
 では、このコンセプトは実際にどのように表現されているのだろうか?
 従来のギャラリーは、クルマについて説明するだけの、一方通行のプレゼンテーションが“主流”であった。新しいギャラリーでは来場者のImaginationを受け取る仕組みを用意しているという。
 まず、2つのギャラリーにある16台のWeb端末に、来場者がギャラリーやクルマなどについての感想や意見を自由に書き込める「Your Opinion」コーナーを設けている。
 また、ショールーム女性スタッフの“ミス・フェアレディ”の対応をさらにレベルアップした、「コンシェルジュ」と呼ばれるスタッフを配備して、高いレベルでのおもてなしを行うと同時に、来場者からの声を受信できるようにしている。この「コンシェルジュ」は銀座ギャラリーをメインに常駐しており、クルマについては当然ながら、日産の企業姿勢についても的確な説明ができて、また銀座の情報についても詳しいなど、まさにホテルのコンシェルジュを具現化した。加えて、ギャラリーの演出面も含めた全てに責任を持つポジションとしての位置づけもある。コンシェルジュは2名(男女1名ずつ)配備され、他のスタッフとは一線を画すため、黒のユニフォームを着用している。
 「Your Opinion」コーナーと加えて、このコンシェルジュが対応したお客様の生の声が企業にフィードバックされ、「Imagination Crossing」がさらに活性化するというわけだ。
 コンシェルジュの1名は、いずれ本社ギャラリーも担当する予定となっている。

奥がカフェコーナー、手前はWeb端末を設置したインフォメーションコーナー(本社ギャラリー)



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