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大分農業文化公園・「パークアルカディア」(7) |
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イベントで集客を徹底する ユニバーサルデザインは先進県大分らしい |
次に、園内で育成して鑑賞、試食できる農作物が、季節にもよるが果樹園のみである(生花、ハーブもあるが、これを育てて販売・進呈しないため、公園の観賞用植栽と判断)。やはり野菜もあってこそ農業ではないだろうか。季節の旬、ビニールハウスで育てた一年中収穫できる品種、そしてたわわになった実り具合を見ることだけでも、農業学習の第一歩になる。さらに、ここでの収穫を購入して(できたら自分で収穫できて)オートキャンプやコテージで、自分たちの手で料理して味わえることができれば、これも呼び物のひとつになるだろう。 東園長は、「今後、子供に人気のカブトムシドームを新設予定です。また、オープン以来、あまり人気がなかったハーブ園、薬草薬木園のリニューアルを現在行っています。そして将来的には、ハーブ園は食することができる施設を、薬草薬木園は、実際に効能をお客が試すことができるような施設をつくりたい」と、そのあたりの問題意識をお持ちのようであった。しかし、税金を投入して建設した施設である以上、オープンしてまだ1年そこそこでリニューアルを言うのは不謹慎でもある。行政の限界である、マーケティングとコミュニケーション意識の欠如がこうした結果となる。 ○魅力的でインパクトはあるが「花」頼みの脱却を さらに「花は老若男女関係なく人気があります。そこで草花はもちろん、ツツジなどの花木まで充実させて、年間を通じて様々な種類の“花”を常に見ることができるように、現在、少しずつ植え替え中」(東園長)だという。 もうとにかく苦しいときの「花」頼みが日本の集客事業のセンスである。農業公園に限らず、テーマパークや商業施設等でも、“花”をテーマとしたイベントの盛況事例を多数コンサルされているかのもしれない。 ここでも、単に観賞用植栽として短期にカネをかけるだけではなく、実際に入園者が苗を植える体験や、温室栽培の様子を見学できる施設、県内の農家で育てた農家名表示の花木販売や配布などの、農業との関連づけを意識してもらいたい。 もちろん、ここを訪れた人の意見として、「とてもよかった。今度はお弁当を持って、朝から一日ゆっくりしたい」と満足の声も多数見かける。高速道路アクセスに恵まれ、“安・近・短”の条件に合っている。このまま、“癒し”としての機能をさらに充実させてもらいたい。ただし、この、“癒し”と“学習・体験”は、どちらに比重をおくかにより、利用動向が変わってくる可能性もある。舵取りが非常に難しいのが公営の農業公園の宿命である。さらに “住民が望まない箱モノ”への批判が高まっている昨今、同施設のように公共の色が濃い施設こそ、もう少し“学習・体験”へ力を入れても良いのではないか。“学習・体験”は、学校週休二日時代のカリキュラムともなれる。 好調の今こそ、次を見据えた運営戦略構築を急ぐべきであろう。 |
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※書籍「レジャーパークの最新動向2002」(2002年8月発行)の記事を掲載しています
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