■エスパーニャ(スペイン)色薄める「志摩スペイン村」

筆頭株主・近畿日本鉄道の主導で停滞打破を開始
施設テーマを、スペインからラテン全般に拡大
わかりやすさで、幅広い年齢層の吸引を図る


 平成14年(2002)6月23日、志摩スペイン村のテーマパーク・「パルケエスパーニャ」は、計画よりも1年遅れで開業以来2,000万人の入場を達成した。
 東京ディズニーランドを超える、日本人の手による本格的なエンターテイメントとしてのテーマパークを目指して建設された「パルケエスパーニャ」は、瓦1枚であってもスペイン本国から取り寄せるまでの空間クオリティを守り、観光地の伊勢志摩のコアとして平成6年(1993)にオープンした。なお、併設の「ホテル志摩スペイン村」を合わせて「志摩スペイン村」と呼ぶ。その中核施設がテーマパーク、「パルケ(公園)エスパーニャ(スペインの)」なのである。

 しかし、計画中はバブル景気、開業後の運営は長期不況となる激変の波を受け、2001年には開業時の半分以下の入場数までに落ち込んでしまった。
 当然、テコ入れのため、日本人の温泉好きに立脚した温浴施設「志摩スペイン村天然温泉・ひまわりの湯」オープン等の積極投資を行う一方、事実上の経営母体である近畿日本鉄道の主導によって、資本投入をはじめ、社員の削減や広告宣伝費のカット等の経費削減が進められた。

 そして2002年度からは、施設テーマ「スペイン」の希薄化を進め、従来の女性中心層はそのままに、子どもから中高年まで誰もがわかりやすいように「スペイン的」、「ラテン語文化圏」までに要素を拡大解釈したテーマによるアトラクションやイベントをスタートさせた。これにより、年齢層が異なる三世代の家族来園に適応し、「ひまわりの湯」と併せて新たな集客ポテンシャルになるものと期待している。あわせて、入場料金の見直しや、顧客満足のためのいくつかの実践的な仕組みも導入された。
 しかし、集客の40%を関西都市圏に依存する状況では、USJばかりではなく、「フェスティバルゲート」のような都市内エンタメ施設の開業もまた大きな驚異にもなりつつある。

 「レジャーパークの最新動向」では:「パルケエスパーニャ」革新に向けての新たな取り組みについて報告する。

※誌面の一部を紹介します



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