6.利用現況

 中心は、親子連れのファミリー層、そして時代劇好きな高年層である。高齢者は公園として景観を楽しみ、食事をして帰っていくパターンが多いとのことである。実は、車椅子とベビーカーがすれ違えるだけの広さを持った通路、入口や、身障者用のトイレを一般用と同数設置するなどバリアフリーを考慮した作りになっている。これも評価され、障害者や高齢者団体等の訪問が全体の15%を超えているそうだ。
 起工式が99年の7月5日、それからオープンの2000年4月21日までは1年もなく、突貫工事続きで「正直言って準備不足だった」(同社代表取締役専務・成島幸吉氏)と振り返る。
 宣伝も従業員教育も不十分のまま、ゴールデンウィークに突入。なんと、適正動員5,000人/1日に対して、1万3,000人もの入園者で大混雑した日もあり、展示館によっては2時間待ちになるなど、制御機能が麻痺してしまったそうだ。
 GW連休中に実施した来場者アンケートによると、比較的良い結果が出ており、「また来たい」との声が8割に達した。また、入園時と退場時では施設の印象が全く違う、という感想も多かったそうだ。というのは、入場料とは別に有料のブースがあることが浸透していなかったためである。確かに、入場してからまた1,000円取られてしまうということを知らなければ、不満を持つ人もいるだろう。もっとも、エンターテイメント、アミューズメント性を期待し、「日光江戸村」のようなイメージで入園した人にはギャップがあったようだ。この点はやはりPR不足だったという反省から、今後はマルチメディアパークという特色を全面に出していく方針である。
 その一環として、先日行われた技術展「ゆめテク」の茨城県ブースに「黄門漫遊館」のシステムを出展したそうだ。今後は、一つには江戸を体験できる施設として、一つにはマルチメディアの世界を体感できる機会として宣伝していく。

7.メンテナンス等

 各企業に最新技術を活用したアトラクションの作成を依頼した結果、高度なテクノロジーを駆使した展示館も出来上がった。しかし、それはそれで苦労がつきまとう。まずはメンテナンスが大変、ということである。
 技術者の常駐ではないため、簡単な修理で済まない場合は、専門家でないと原因がつかめない、ということもありうる。実際に、映像のブースで故障が起きたため、映像関係専門のスタッフに来てもらったところ、どうしても復旧しなかったため、よく調べたらコンピュータ側が原因だった、というエピソードもある。
 また、優れた技術を採用しても、観客に受けるとは限らない。同社では、特定年齢層に偏っていないか、マルチメディアの技術としてアピールできているのか、などについては若干課題を残していると認識している。アトラクションのリニューアルは3年に1度、4分の1ずつ変えていく予定だという。ちなみに、企業間の技術競争にするつもりはないため、各ブースには博覧会のように企業名は登場しない。

8.飲食店・おみやげ

 飲食店は直営と委託の2カ所。団体に対応したレストランと喫茶店、ファーストフードの店は直営で、和食処は民間に委託している。土産店は、県内の物産品を中心にした店が直営店、もうひとつの漬物屋は民間と提携している。また、妖怪館にある「ゲゲゲの鬼太郎」ショップは関東で一番大きな店である。夏休み中はよく売れたそうだが、全体的にはイマイチ、だそうだ。
 最も売れるのは500〜600円の菓子類、子供のキーホルダーなど安いもので、1,000円を超えると売れ行きは鈍るという。
 「ワープくん」というキャラクターによるグッズを開発しているが、まだキャラクターそのものが浸透していないこともあり、売れ筋とはなっていない。このキャラクターは全国から公募したものだ。着ぐるみを作り、園内を歩かせると子供にはとても人気があるそうだ。

ワープくん

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