空間通信レポート


〜myX(マイクス)は、いま〜 (3)

コンセプトは「モビリティライフのデザイニングスペース」
お客さまの“クルマを買うに至る物語”を実証


◆自動車販売で培われた「整備して売る」を徹底

myXの独自性は、自動車販売で培われた「整備して売る」ことにある。競合の流通資本は、売上げを重視して、自転車であれば本体部門、タイヤなどの消耗品部門、服や小物用品等のカテゴリーで実績分析を行う。一方myXでは、納車整備するという考え方が強い。すでにマウンテンバイクの販売は撤退した専門大店から、現在でも修理依頼がある。

ただしプロショップを標榜するのではなく、“お年玉を貯めてあこがれのサイクルブランドを買いたい”的な入門者にきちんと答えられることが前提となっている。調整や修理に対応して乗り続けてもらえば、次にグレードアップしてくる場合でも、お客さまは得た知識からフレームはこれ、サドルはあれなどとカスタマイズする。数十万円程度なら当たり前、なかには100万円近くかける人もいる。

このポテンシャルは福祉車両(ウェルキャブ)の販売でもいかんなく発揮されており、現在全国2位の販売実績を示している。同時に福祉車両と同量の一般車両の販売にも成功している。お客さまの相談に対して、さまざまな提案をするなかで、なかには福祉車両を選ばなくても一般車両でも工夫をすれば使用できるといったコンサルテーションに取り組んでいる。全国でどこもやっていないmyXのオンリーワンだと自負している。





myX内・マウンテンバイクコーナー(上)
マウンテンバイク修理コーナー(下)

◆ホールディングカンパニー「KTグループ」への移行

2005年度の年商は約4億円、2009年度は6億円(自動車販売を除く)で、不況の中順調に売上を伸ばしている。
不況期であり投資資金は限られることや、培われたノウハウは一般の自動車販売店舗には転用できないことはわかった上で、myXとのと同じような店舗をいくつか展開しようと構想する。

実現のために、持ち株会社化によるKTグループ=神奈川トヨタ自動車グループのホールディングカンパニーを発足させた。1939年(昭和14年)、神奈川トヨタ販売株式会社創業から70周年を迎える2008年4月、グループ会社19社の持ち株会社として、神奈川トヨタ自動車株式会社の親会社機能を引き継ぐ形で誕生した。同時に、グループ名を神奈川トヨタグループからKTグループと改め、神奈川トヨタ自動車がKTグループ全体の戦略立案・資源配分等の統括を行うことで、グループ全体として効率よい経営を目指している。

グループの基本理念は、「企業発展の原動力は、すべての社員が心を一つにして仕事をすることのできる活き活きとした会社づくりである。会社とは何か?それは資本のことではありません。社名でもない、経営者でもない。ましてや建物でもありません。それは社員が集まって、社会に向かって価値ある仕事すなわちお客さまのために満足を作り出している『日々のいとなみ』そのものが会社なのです。そして会社は、私たちが社会に生きて、自分自身を高め、成長させていくための最善の場であり自己の個性や能力を存分に発揮できる場、それらのことが促進される場でなければなりません」と規定されている。

myXの課題としては、開業から15年が経過して、異動や定年退職等により、経緯を知る人が離れてしまうと、開店と以降のマーケティング実績が曖昧化するリスクがある。この経験をどのように展開・活用していくのかが問われている。そこで今後は、KTグループの中で情報共有と定着に積極的に取り組む考えだ。



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