トヨタの販売チャネルにこだわらず、輸入車も含めた「複合店」のパイオニア
トヨタZAP

「トヨペット」「カローラ」「ビスタ」、「フォード」を取扱
日本で最初の複合店として、米国マスコミでも報道

 「トヨタZAP」、その店舗名が示すように、トヨタのお店なのだがチャネル名がない。オープンした1993年(平成5年)から、すでに「トヨペット」「カローラ」「ビスタ」の3チャネルを同一空間で扱うチャネル複合店であった。現在はフォード店が加わり、4チャネルの複合店となっている。「ZAP」とは"ずっとあなたのパートナー"の略語で、同店を経営するトヨタ勝又グループ・勝又基夫社長のネーミングである。
文字通り、日本で最初のチャネル複合店だが、同店の経営する勝又グループにとって、特に珍しいという業態でもなさそうである。というのも、同社土気店「エクセリア」(千葉市緑区あすみが丘1-17-11)は、世界で最初という、トヨタと日産の販売店が同じ建物に入居した構造で営業している。1階が日産プリンス千葉販売、2階が千葉トヨペット、3階が千葉トヨペットのサービス工場、そして4階が日産プリンス千葉販売のサービス工場という"呉越同舟"の空間である。
 いずれも、販売チャネル構成に敏感なメーカーは、こうした複合業態をあまり歓迎していなかったようで、これまで情報の露出は限られていた。ただし例外がある。橋本内閣時代の日米貿易摩擦問題では、批判の急先鋒であるフォードのお店をトヨタ自動車が抱えている流通障壁改善の実例として同店がメーカーによって紹介され、モンデール駐米大使(当時)をはじめ米国の多数のマスコミが視察に訪れたという。摩擦解消に一役買ったわけである。


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