9.分かりやすい資料館、アイデア満載のお土産コーナー

 坑道を出てレストハウスへ向かい、その手前の「金山資料館」へ(写真20)。ここは金山にまつわる歴史や当時の機器・道具類、鉱石、地質鉱床図などが展示されている。
 明治以降の比較的新しい金山であったため資料も多く、全盛期の集落村ジオラマ、坑道の立体模型なども展示され(写真21)、小規模ながら非常に分かりやすい施設であった。

 資料館の隣はレストハウスのお土産コーナー。前述のように、地場名産の“わさび”“こんにゃく”の加工品、草木染製品、そして「鯛生焼」と記した焼き物が販売されている(写真22)
 「『鯛生焼』は新しい名産として、金採掘時に出た鉱滓(土などのカス)を釉薬(うわぐすり)として利用して焼いた、独特の風合いを持つ焼き物です。駐車場の向かいにある精錬所(写真23)を現在「鯛生焼」の窯として利用し、焼き物体験施設としても利用しています。もちろん自分でつくった作品は後日持ち帰り、またはお送りしています」と精錬所、土の再利用を語る。
 これは再利用として非常に良い例で、新しい名産として育って欲しい商品である。

 さらに坑道内に貯蔵されていた「黄金浪漫」(写真24)、金の延べ棒のパッケージに入った金粉入りヨウカン「金の延べ棒」(写真25)と金箔入り麦焼酎「鯛生金山」(写真26)、地元名産のゆずのリキュール「黄金のしずく」(試飲も実施)(写真27)、そしてご愛敬でレジ横にはタバコ「ゴールデンバット」(写真28)など、“金”にこだわったおみやげ物がずらりと並んでいる。その他、地場名産品が並んでいたのは言うまでもない。
 “子供だまし”のようだが、“金山=金の延べ棒”というパッケージは、とてもわかりやすい。こういうシンプルなデザインに、名産をパッケージするのが、土産品としての正統ではないだろうか。特に「鉱山」のように、いわば“食”のイメージと結びつきにくい施設資源のお土産としては、ある種の洒落や冗談をスパイスとして、中の食は“味”にサプライズを仕掛けるための工夫が望まれると考える。



写真20:
レストハウス横の「金山資料館」


写真21:網の目のように掘られたことが
一目瞭然にわかる坑道の立体模型

写真22:鉱滓を釉薬に利用した「鯛生焼き」


    写真23:精錬所跡の「鯛生焼き」の窯         写真24:坑道貯蔵酒「黄金浪漫」も販売
        

    写真25:金粉入りヨウカン「金の延べ棒」        写真26:金箔入り麦焼酎「鯛生金山」
        

    写真27:ゆずリキュール「黄金のしずく」         写真28:レジ横には「ゴールデンバット」も・・・
        



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