石炭の歴史村〔北海道・夕張〕(1)

町の衰退に歯止めをかけるべく整備された、夕張の観光都市化を象徴する大規模集客施設。
「石炭の歴史村」とはいえ、施設の大半は非石炭のアミューズメント。
年間50万の入り込みを冬季以外の9ヶ月で集客


2006年9月12日
※書籍「レジャーパークの最新動向2002」(2002年8月発行)の記事を掲載しています


 夕張市は、炭鉱の閉山によって人口減と急激な過疎化が進み「炭鉱から観光へ」を合い言葉に、「ゆうばりマウンテンシティ計画」を策定。観光・レジャー都市としての再生に投資を集中した。

 この観光都市化を象徴する施設整備の第一弾が、ここで紹介する「石炭の歴史村」(以下歴史村)である。昭和55年(1980)に「石炭博物館」が先行オープン。全盛時の炭鉱内部を再現した模擬坑道が作られた。ここは、昭和29年(1954)に昭和天皇・皇后両陛下が夕張を訪問された際に整備された坑道で、この有効活用という意味もあったという。 

 そして市制施行40周年に当たる昭和58年(1983)にアミューズメント施設を含む現在の形が完成した。グランドオープン当時は、北海道の土地柄で、屋外施設が雪の影響で半年程度の稼働がせいぜいで、札幌市内にさえ屋外レジャー施設が存在していなかった。そのため、夕張での遊園地オープンは、北海道初の本格的なアミューズメント施設となり、大変好評を得たという。

 その後、平成12年(2000)にゲームセンターを「ゆうばり化石いろいろ展示館」にリニューアル、平成13年(2001)には「郷愁の丘ミュージアム」の第一期「生活歴史館」をオープンさせるなど、15を数えるリニューアルや新設での活性によって、リピートと入り込みを狙っている
周辺の旧産炭地が石炭遺構を集客誘致のアピールに積極活用しているのに比べ、夕張市は“炭鉱”“遺構”を活用した観光には積極的ではない。よって結果的に炭鉱、遺構に関係のない施設がほとんどであるにもかかわらず「石炭の歴史村」となっているのである。



【施設概要】(2002年のデータ)

所在地:北海道夕張市高松7-1
事業主体:第三セクター/株式会社石炭の歴史館観光
敷地面積:約51ha
資本金:1億円
駐車場:1,500台(4カ所)
従業員数:117名
オープン日:全村オープンは昭和58年(1983)6月
休園日:年末年始(12月31日〜1月5日)
営業時間:9:00〜17:00(入館は16:30まで) ※アミューズメント施設等、冬季休業あり。
アクセス:
クルマ/道央自動車道「夕張」I.C.より約20分 夕鉄バス/札幌から110分、大谷地バスターミナルから80分
中央バス/札幌駅前バスターミナルから110分、石炭の歴史村ターミナル下車
JR/石勝線夕張駅から夕鉄バス市内線で石炭の歴史村ターミナル・社光まで10分

ホームページ:http:// www.dolphin.co.jp/hpr/yubari/k_rekisia.htm
問い合わせ:TEL01235-2-1544



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