夕張・石炭の歴史村(8)

3.運営

 歴史村は、市、農協、交通、金融関係機関が中心となって昭和55年(1980)に設立した第三セクターの「株式会社石炭の歴史村観光」(資本金1億円、代表取締役 田中鉄治 夕張市長)が運営している。同社は歴史村の他に、「めろん城」や「花とシネマのドリームランド」の運営も行っている。
 「めろん城」は、全国的に有名な「夕張メロン」を原材料として、ワイン、ブランデー、リキュールのほか、ゼリー、アイスクリームを製造販売している施設で、工場見学(無料)も行っている。

 「花とシネマのドリームランド」は、季節の花々約12万本が約30haの広大に敷地に彩る花園。入場は無料であるが、花がない冬季は休業である。

 このように同社は、市の活性化に貢献する企業として様々な可能性を見いだし、多角経営を行っているが、新聞報道の情報からみると、多くの自治体同様にビジネスとしてはそれほどうまくいっているとは言い難い状況のようである。

4.集客

 様々な施設の性格や機能を生かしたイベントを開催して、集客を図っている。それは、寒く長い冬が終わるゴールデンウイークの、冬季休業からの再オープンに合わせた大々的な「オープニングセレモニー」から始まり、夏休みいっぱいまで目白押しとなっている。5月から9月の間に、年間の8割いや9割の売上を達しないと厳しい状況であろうと憶測できる。

 また、観光・レジャー産業都市を目指す市は、先に記述した「ゆうばりマウンテンシティ計画」により、大小のイベントを開催し、平成14年度(2002)は189ものイベントを計画し、順次実施している(表3参照)。中でも目玉はやはり「ゆうばり国際ファンタスティック映画祭」であろう。“ふるさと創生1億円”事業の活用で、平成2年(1990)のスタートから、来年(2003)で14回目の開催となる。巨匠や新進といわれる監督、大物や話題の俳優を招待し、わざわざ雪の一番深い時期(毎年2月)に設定し、幻想的な夕張をアピールし、毎年2万人以上を集客している。

めろん城(夕張市の公式サイトより)


花シネマのドリームランド(夕張市の公式サイトより)


郷愁の丘ミュージアム第二期施設が「シネマバラード」

 平成15年(2003)早々には、歴史村の「郷愁の丘ミュージアム」に第二期として「シネマバラード」(映画資料館)がオープン予定で、閑散期の大きな集客となるであろう。
 全村オープンして、もうすぐ20年経過する歴史村は、夕張市のメイン観光施設としての重責を担っていることから、新たな施設を拡充することでリピートを促し、活性化を図っているのである。


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